書籍『その言い方は「失礼」です!』レビュー

失礼な言い方をされて内心むっとしたり、自分の物言いで相手に不快な思いをさせてしまったことないでしょうか?

この本は他人の物言いを糾弾するようなものではなく、より信頼される人になるための実践的な話し方や振る舞いについて書かれています。1つでも実践してみると、いろいろな気づきとともに他者への観察力があがります。

 

 

著者紹介

吉原 珠央

イメージコンサルタント・作家

1976年生まれ/埼玉県出身

全日本空輸株式会社、証券会社勤務などを経て、プレゼンテーションと、

コミュニケーションを専門とするコンサルタントとしてDC&IC設立

プライベートでは2児の母

経営者、士業人、起業人、講演者、コンサルタント、採用担当者などを対象にした、コンサルティングをはじめとして企業人、転職希望者への研修、セミナーなどのほか、大学非常勤講師として「キャリアデザイン」を担当したほか、学生への講義、研修なども実施

Amazonより引用

3つのポイント

本書のポイントは3つあります。

  1. 失礼な言動とは何かを理解して自分がそのような言動をとらないようにする
  2. 失礼な言動をとる人との関わり方を理解し、自分に余計なストレスがかからないようにする
  3. 礼儀正しく信頼される人になる

第1章

第1章では「失礼な言動」とはどういうものか、また、失礼な言動をとる人はどういう人間なのかを具体的な事例とともに紹介しています。

どの事例も「こういう言い方だったら良いよね」という失礼にならない言動も併せて紹介しているので、具体的で実践しやすいと感じました。

 

私は「こんなこと考えたことなかった」と思ったのが、質問されたときの答え方です。

質問される=感謝+答え+相手を巻き込む質問・提案

自分の話したい欲求をうまく抑えながら、相手に話す場を与えたり、譲ったりできる人を目指したほうがいいということです。

 

私は話しすぎてはいけないということは気を付けていたのですが、それだけではダメなんだなあと気づかされました。

受け答えの事例をみると、自分が思っているより話していいんだという印象です。

周囲の人に、言葉足らずでぶっきらぼうな人と思われているかも。ひゃー反省反省。

 

第2章

第2章では、言動の「動」の部分にスポットが当てられています。

失礼な人ほど「自分が正しい」と思っていて、客観的な視点や相手への想像力が欠けています。

そんな人が身近にいて避けられない場合(職場の同僚など)、こちらが我慢するばかりではストレスが大きくなってしまいます。

 

それをどうかわすか、相手に気づかせるか、うまいこと離れるか、具体的で参考になります。

失礼な人に対する違和感。それをいったんきちんと受け入れて対処する。そういう人に振り回されない。

それがストレスをためないために大切なことです。

第3章

第3章では礼儀正しさは、生きていくうえでの武器になりますよといった内容です。

躾について書かれている本を読んだことがあるなら、

「あー知ってる!」

という内容もあると思います。

しかし、知っているのと実践出来ているかは別物。

実践出来ているかのチェックリストにもなります。

まとめ

人によっては「これはちょっと自分の考え方と合わない」という内容があるかもしれません。

それらも含めて自分の日頃の言動や考え方を振り返るのにオススメ一冊です。

 

 

書籍「話すチカラ」レビュー

今回紹介する「話すチカラ」は、TBSアナウンサー安住紳一郎さんと齋藤孝先生の師弟コンビによる、ライトで奥深い内容の本です。

 

著者紹介

齋藤孝教授は、明治大学文学部の教授で、教育学、身体論、コミュニケーション論を専門としています。 ベストセラー著作家で、文化人としても活躍しています。

安住紳一郎アナウンサーは、TBSの人気アナウンサーで、バラエティ番組や、音楽番組の司会を務めています。 二人は、明治大学で先生と生徒の関係でした。

本書は、両著者の対談や安住アナウンサーが明治大学の学生に行った講演の内容を書き起こしたものです。

 

内容

わかりやすく話すことや人間関係がうまくいく話し方、そのためのインプットのしかたなど、勉強になること満載です。

また、日本語に対するマニアックぶりや安住アナの学生時代の話、超一流のアナウンサーならではの話術の裏側は、読んでいて楽しいです。

 

それ以外にも、会社員として仕事をするという選択への思いや、ストレスのケアなど、日常的に参考になることも書かれていてます。

 

特に斎藤先生による、「まずは与えられた役割や持ち場の中で全力を尽くすことが大切」ということばに勇気をもらいました。

 

語り口はお二方ともソフトですが、奥深い内容の本です。

 

本書を読むことで、学校や仕事、日常生活で役立つ話すチカラを身につけることができるので、オススメです。

 

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書籍「デジタル・ミニマリスト」レビュー

今回は書籍「デジタル・ミニマリスト」を紹介します。

 

勉強をしようと思っていたのに、スマホSNSをチェックしていた……

調べものをするためにスマホを使っていたのに、ネットサーフィンしていた……

そんなことが続いて、自己嫌悪に陥ったことはありませんか?

なんて自分は意志が弱いんだ。

あの時間を勉強に集中していたら……

いや、それは違います。あなたのせいではないのです。どうしようもないのです。

あなたの意志が弱いわけではないのです。

企業は、承認欲求などを利用して、私たちをスマホタブレット上に留めようとします。そのために、アプリやウェブサイトには、莫大な資金が投じられています。

「魂を乗っ取られるな」と著者はいっています。

著者紹介

本書の著者「カル・ニューポート」は、ジョージタウン大学の准教授です。デジタル・ミニマリズムというテクノロジー利用 の考え方を生み出し、本当に大切なことに集中する生活を提案しています。

 

デジタル・ミニマリストの哲学

デジタル・ミニマリストって何?

「自分が重きを置いていることがらにプラスになるか否かを基準に厳選した一握りのツールの最適化を図り、オンラインで費やす時間をそれだけに集中して、他のものは惜しまず手放すようなテクノロジー利用の哲学」

デジタルミニマリズムの三原則

①あればあるほどコストがかかる

もっとも価値ある資産は時間。アプリやサービスが約束する小さな利益に屈すると時間コストに鈍感になる。

 

② 最適化が成功のカギ

新しいテクノロジーを取捨選択して活用できるツールとして捉えるようになれば、真のメリットが手に入る。

 

③ 自覚的であることが充実感につながる

 

デジタル片づけ実践編

それでは実際にツールの最適化をするにはどうすればよいか。

本書では、デジタル片づけの方法を、具体的な事例の紹介とともに説明されています。

ポイントは短期決戦で、3ステップで行います。

 

  1. テクノロジー利用のルールを決める
  2. 30日間、①のルールに従って、テクノロジー利用を休止する
  3. テクノロジーを再導入する

 

孤独についての考察

デジタル片づけだけでなく、主体性を取り戻すことも重要です。そのためには、孤独について考えることが必要になってきます。

ここでいう孤独とは

「自分の思考が他者の思考のインプットから切り離された意識の状態」を指します。他者の思考には読書も含まれます。

孤独がなぜ重要かというと、内省から生まれる洞察と感情のバランスに関係しているからです。

著者が提案する重要ポイント

  • 一人きりで考える時間と、他者とつながる時間を日常の中で行き来すること
  • 孤独の欠乏を避けるには定期的にスマホから離れて過ごすこと
  • 他者の思考のインプットから解放された状態を孤独ということを忘れないように
  • 散歩は自分と対話する最良の時間である

「デジタル片づけ」メソッドの詳細は、ぜひ本書を読んで、実行してもらえたらと思います。

 

私は「デジタル片付け」より、孤独の時間をつくるほうが、難しいと感じました。だって、読書も他者の思考に含まれるんですよ!デジタルから離れるより、本から離れるほうがしんどい!

 

 

 

書籍「自炊力」レビュー

普段料理をしない人間にとって、買い物でつまずくことがあります。

買い物ってホントは難しい。

今回は書籍「自炊力」を紹介します。

 

 

普段自分のため、家族のために料理をする人間でさえ買い物は重労働。仕事が忙しくて、疲れた身体で立ち寄るスーパーマーケット。疲れますね。しんどい。

この本は料理をつくる力ではなく自炊力について書かれています。

まず、いかに買うか

料理をしなくても、ちょっと買うものに気を遣うだけで違います。仕事が忙しくて作れない、家族のために毎日作っているけど正直しんどい時がある、という人の心も軽くしてくれる一冊です。

著者紹介

著者は白央篤司さんです。

フードライター。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経てフリーに。日本の郷土食やローカルフードをメインテーマに執筆。著書に『自炊力 料理以前の食生活改善スキル』(光文社新書)、『にっぽんのおにぎり』(理論社)、『ジャパめし。』(集英社)などがある。Amazonより引用

「自炊力」とは

  • 自分で買い物に行って、その場で献立を決められる
  • 食材の質と値段のバランスを考えつつ買い物ができる
  • そのときに買ったもの、家にすでにあるもの取りまぜつつ、数日分の献立を作り回していける
  • なおかつ栄養バランスを考えられる

 

自炊力をつけるために、テレビでファンになれる料理家を見つける、というところから徐々にステップアップしていきます。

料理番組が伝えるものは料理のレシピとプロセスだけではありません。料理する人のヒストリーや人間性、料理に対するスタンスや哲学を感じられて、共感できる料理家を見つけるとよいと書かれています。

また、切り方ひとつで料理の味が変わるので、下ごしらえから見せてくれる番組を探すこともポイントです。

 

「料理=やれば簡単」

「誰でもやっていること」

という世間一般の思い込みから解放してくれます。

著者が「自炊力をつけたい!」と思い至ったのは、

 

  • 外食よりも安くあげたい、といった経済的な理由
  • 外食よりも健康的にいいであろう、といった栄養面からの理由

 

「料理を作らないことに罪悪感をもつ必要はない」と教えてくれる本書に励まされました。

 

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自分にとっての読書

自分にとって、読書は生活の一部。

朝から忙しくたち働いて、1人になる時間もない。そんな環境に身をおいていたことが過去にありました。

常に本を数冊もち歩き、ジャンル問わず選び、隙間時間も読む。
カフェで本を読みたいがために、人との待ち合わせ場所近くに1時間も前に行っている。
マンガも雑誌も新聞も大好き。

 

そんな生活を送っていた私は、ある環境の変化により朝から忙しくたち働かなければならなくなりました。

そんな生活が2週間も続いた頃、気が付きました。まったく本を読んでいない、新聞の見出しすら目を通していないことに。

愕然としました。
大好きな本を読んでいないことに2週間も気が付かないなんて。

その時なんだか自分の一部が失われていくような感じがしました。
同時に読書は私にとって趣味ではなく、生活に欠くことのできないことなのだと。

読書は自分を見失わないようにするための手段。

それがはっきりわかって以来、どんなに忙しくても、一行でも5分でも読んでいます。そして、読書の時間をまったく作れないような生活はどこかで間違えている、
そんなふうに思いながら生きるようになりました。

 

父が読書好きで、小さいころから本が家にたくさんありました。

本を読む楽しみと、生きる上での「武器」。

読書という贈り物をくれた父に感謝しています。

読書の思い出

今日は読書にまつわる、ささやかなうれしかった思い出を書きたいと思います。

 

私は両親の影響で、自然に読書をするようになりました。小さいころから家に様々な本があったので、 中学生で文庫本デビュー、高校生で新書デビューといった感じで、受験生の時も勉強の合間に読んでいました。
しかし、中高運動部だったため、読書とは縁遠い人間だとクラスメイトからは思われていたようです。朝練もあったし、放課後も割と遅くまで部活していたので。

実際は、昼休みに学校の図書室で本を借りていました。

 

受験も終わり、いよいよ高校の卒業式。

卒業式後の最後のホームルームで担任の先生から

「図書室の先生から預かりものがあるぞ~」

と教室の前に呼び出されました。そしてメッセージカードを読んでくれました。

 

「〇〇さんは高校三年間でたくさんの本を読みましたね。卒業してからもたくさんの本に触れてください。」

 

そのメッセージカードといっしょに三年間で読んだ本が書かれている図書カードと図書券を渡されました。

すごくうれしい思いがけないプレゼントでした。

自分だけでなく、クラスメイトも驚いていました。

クラスメイトの驚きは、部活と受験勉強でいつ図書室に行ってたの?そもそも本好きキャラじゃないでしょ~ということみたいでした。
その時日常的に読書するのは少数派なのだな、と気づきました。

 

自分が特別に思っていなかったことを、三年間見ていてくれた図書室の先生からのうれしいプレゼント。今でも心に残る思い出の話でした。

書籍「トリノトリビア」レビュー

今回は「トリノトリビア」を紹介します。

 

「鳥類学者がこっそり教える野鳥のひみつ」というサブタイトルがついているとおり、なじみ深い野鳥についてのあれこれを、マンガと文章で面白く解説する本です。

 

 

 

著者紹介

  • 川上和人さんは、森林総合研究所の鳥類学者で、小笠原諸島の鳥類の保全と管理を研究しています。火山噴火中の西之島を調査するなど、冒険的な活動も行っています。おもな著書に「鳥類学者だからって鳥が好きだと思うなよ」などがあります。本書では、監修と執筆を担当しています。
  • マツダユカさんは、鳥を題材にした人気マンガ家で、『ぢべたぐらし』や『きょうのスー』などの作品があります。本書では、4コママンガを描いています。
  • 三上かつらさんは、九州大学シジュウカラの浮気の研究をして博士を取得した鳥類学者で、NPO法人バードリサーチの研究員でもありますおもな著書に「鳥の行動生態学」があります。
  • 川嶋隆義さんは、生物や自然科学を専門に本の企画制作をするスタジオ・ポーキュパインの主宰者で、カメラマンとしても活躍しています。おもな著書に「東京名木探訪」があります。

 

鳥たちの美しさや賢さ、生きるための工夫やオカシなところを知ることができます。鳥好きの人にも、そうでない人にもおすすめの一冊です。

 

まず登場人物ならぬ、登場する野鳥についてイラストで紹介されています。この時点で楽しい!

カラスやハト、スズメなどは知っている通りなのですが、ウグイスなどの鳴き声しか知らない鳥が

「こんなに地味な感じなんだ」っていうのがわかったり、

この鳥、「めっちゃ派手なんだ!」なんて気づきがあったり。

 

そのあとの目次をみると

「いつも見かける気になるあいつ」

「食べることとは、生きること」

「鳥たちの恋愛事情」

「育て!鳥の子」

「けっこうすごい鳥のからだ」

「鳥にまつわるエトセトラ」

という章立てになっていて、その下に、鳥の名前とサブタイトルが書かれています。

順番に読んでもいいし、好きな鳥の話をピックアップしても読んでも楽しいです。

本文は右側が4コマ漫画で、左側に解説という作りになっているので、漫画だけまとめて読む、なんてこともできます。

普段は鳥にあまり興味のない人(私もです……)でも、面白くて、楽しく読める本です。