今回は書籍「リボルバー」を紹介します。
原田マハさんの小説で、ゴッホの死をめぐり現代と19世紀を往き来するスリリングな物語です。
著者紹介
一九六二年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立、フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。二〇〇五年「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。一二年『楽園のカンヴァス』(新潮社)で山本周五郎賞受賞。一七年『リーチ先生』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。
物語は、主人公がフランスのオークションハウスで働きながら、ゴッホとゴーギャンに関する博士論文を準備する中で始まります。ある日、サラという女性がオークションハウスに持ち込んだ「リボルバー」
本物か偽物か?
サラの目的は?
19世紀部分はゴーギャンの視点を含む独白を通じて進行し、ゴッホの死の真相に迫ります。
現代部分はゴッホの自殺とされる事件を再考し、アート史の謎を解き明かそうと主人公が奮闘する内容です。
アートミステリーとしてだけでなく、天才と呼ばれるゴッホとゴーギャンの、芸術家の苦悩と生活の厳しい現実が描かれています。
これは小説だとわかっていても、自分もその時代に生きているように感じられるほど、引き込まれてしまいました。読みごたえのある作品でした。
ゴッホつながりで、原田マハさんの「たゆたえども沈まず」もおすすめです。
この作品は19世紀後半のパリを舞台にしています。物語は、日本の画商・林忠正とその助手・加納重吉が、浮世絵を通じて世界に挑戦する様子を描いています。ゴッホ兄弟の芸術的な挑戦と悲劇が、林や加納との関係を通じて描かれています。
この二冊を読むと、視点の違うゴッホ像が楽しめます!